近年化粧品の原料として「ペプチド配合」などというキーワードを目にすることが多くなりましたよね!
なんだか肌によさそう!?というイメージがありますが、では一体ペプチドとは何でしょう。
今回は、この「ペプチドとは何か」について解説していきます。
ザックリいうと、「ペプチド」=「タンパク質」
化粧品を作るときに、有効成分と呼ばれるものを多々入れて処方を組んでいきます。
その、有効成分として配合される原料として、タンパク質由来の成分が数多く存在します。
例えば、化粧品の有効成分として誰もが思い描く「コラーゲン」
これは「タンパク質」と言えます。
タンパク質は、私たちの日常生活でもたくさん見受けられるのでイメージしやすいですよね!
なんて感じです。
そして、そのタンパク質を食べると、最終的にはタンパク質が細かく分解されて「アミノ酸」という形で、体内に吸収されます。
言い換えると、アミノ酸がたくさんつながったものがタンパク質。
どのくらい沢山つながっているの?というと、アミノ酸が50個以上(100個以上という分類もある)つながったものをタンパク質と呼びます。
あれ?
それではアミノ酸が2個、3個…20個…とつながったものは何と呼ぶの?
それこそが、今回の主役 ペプチド と呼ばれるものです。
アミノ酸とは?
分子内にアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)をもつ化合物の総称です。
アミノ基とカルボキシル基が結合する炭素の位置によって、α、β、γ、δ、εなどのアミノ酸が存在しますが、タンパク質を構成するアミノ酸は全てα-アミノ酸です。
グリシン以外のアミノ酸は、L体、D体という光学異性体を持ちます。
タンパク質を構成しているのは全てL体であるため、アミノ酸を表記するときにL-を省略することもあります。
自然界には500種類ほどのアミノ酸が存在していると言われていますが、人の体を作るタンパク質(筋肉やコラーゲンを体の中で作る原料)になるアミノ酸は20種類です。
これらは、1つでもなくなくなると、様々な生体反応に影響が出てしまいます。
その他にも遊離アミノ酸と言って、タンパク質を作らないけれど体の中で働くアミノ酸もあります。
例えば、オルニチンなどは、肝機能を良くするといわれています。
アミノ酸の長所
・消化の必要がなく吸収されやすい
・特有の機能があるアミノ酸がある
・静脈栄養剤や経腸栄養剤として利用できる
アミノ酸の短所
・単一アミノ酸過剰摂取で急性毒性を現すことがある
・腸管浸透圧を上げるため大量摂取で下痢をしやすい
・タンパク質に比べて価格が高い
ペプチドとは?
一般的に、2~50個程度のアミノ酸がペプチド結合したものを指し、2個のアミノ酸が結合したものをジペプチド、3個ではトリペプチドと呼びます。
また、アミノ酸の数が2~20個程度のものをオリゴペプチド、もっと多くのアミノ酸が結合するとポリペプチドと呼ばれます。
様々な研究で、このアミノ酸が複数個つながったペプチドが、体内で様々な生理活性物質として働いていることが知られてきました。
例えばインスリン。
これは約50種類のアミノ酸から作られているペプチドです。
他にも血圧降下ペプチド、抗菌ペプチド、 経口免疫寛容ペプチド、血栓抑制ペプチドなど多種多様な機能性ペプチドが見出されています。
ペプチドの長所
・体内に吸収されるのはオリゴペプチドの形が多い(アミノ酸よりも吸収されやすい) → 肌に塗って吸収されて働くことが期待される
・経腸栄養剤として利用できる
ペプチドの短所
・タンパク質に比べて価格が高い
化粧品原料としてのペプチド
実に多数あります。
「ペプチド」で検索したら、なんと現在では469件もヒット!
タンパク質とは?
20種類のL-アミノ酸がペプチド結合してできた化合物です。
一般にアミノ酸の数が50個以上のもの(100個程度以上と定義しているケースもある)をタンパク質と呼びますが、明確な定義はなく、10個のアミノ酸からなるタンパク質(シニョリン)が発見されています。
それなので
2. その立体構造が変化(変性や再生)するもの
この2つの特徴をタンパク質であるともいえます。
体内では、筋肉を合成したり、酵素やホルモンとして代謝を調節したり、物質輸送、生体防御などの働きをしています。
タンパク質の長所
・肉、魚、卵、大豆製品などの食品から簡単に補給可能
・アミノ酸やペプチドと比べると安価で入手しやすい
タンパク質の短所
・消化されないと体内に吸収できない → つまり化粧品として肌に塗っても吸収されない
・アレルゲンとなることがある
化粧品原料としては
・コラーゲン
・エラスチン
など多数ありますが、なかなか肌に塗っただけでは吸収されないので、コラーゲン配合…とうたわれていても、保湿の効果しかありません。
まとめ
今回はペプチドの基本的な理解についてお伝えしました!
・体の中で機能的に働くことが多い
・吸収されやすい形
・化粧品成分としては高価になりやすい
簡単にまとめると、上記のような特徴で、化粧品の原料としてはとても期待できる分野です。